第9回インバウンドビジネスセミナーレポート
- 対象
インバウンドビジネスに興味を持つ企業・自治体の担当者
- 開催日
2019年10月21日(月)14:00~
- 開催場所
衆議院第二議員会館 1F 多目的室
東京都千代田区永田町2-1-2- 参加費用
無料
- 参加条件
企業や団体などのインバウンド客対応の責任者の方
- 参加人数
103名
一般社団法人 通訳品質評議会主催の第9回インバウンドビジネスセミナーを下記の通り開催いたしました。当日は旅行・観光業界のご担当者様を中心に、多くのインバウンドビジネスに関心を持つご担当者様に足をお運びいただき、有意義な時間を過ごすことができました。加速する日本のインバウンド市場においての今後の展望、課題をご講演者様にご紹介をいただき、皆さん熱心に耳を傾けていらっしゃいました。
災害大国日本のインバウンド対応に欠かせないのは危機管理ですが、適切・迅速な情報提供をはじめ課題が多いのが現状です。そこで「インバウンド」という言葉が浸透しつつある今、多くの訪日外国人旅行者を対応するご責任者様・ご担当者様にお役に立つ情報提供を目的に開催しておりますインバウンドビジネスセミナーは、この度第9回目を迎えました。
今回はインバウンドビジネスセミナーを「持続可能な観光」を大テーマのもと、3回のシリーズとして展開し、第9回目は「持続可能な観光先進国に向けて」をテーマに開催いたしました。
本セミナーでは、観光庁・日本政府観光局(JNTO)より国としての取組みのご紹介をいただくともに、JTB総合研究所より官・民それぞれの役割について考察いただき、議論を行いました。
今後のセミナー
- 第1弾「外国人旅行者に向けた危機管理」(当回)
- 第2弾「観光資源開発とマーケティング」(2020年初旬予定)
- 第3弾 観光資源の保護(2020年中旬予定)
【プログラム】
(1)開会の挨拶
一般社団法人 通訳品質評議会 代表理事 吉川健一
(2)来賓ご挨拶
World Travel & Tourism Council
Executive Director – APAC & Middle East Nigel David 氏
<内容>
WTTCは、世界の旅行・観光分野における民間部門を代表する団体であり、旅行・観光分野の中でも、緊急事態への準備や危機管理、さらには迅速な復興が必要不可欠でテロや自然災害などにおける緊急時のリスクが考えられ、経済や人々への影響を防ぐために何を取り組んで行かなければならないのかなどの施策をお話いたしました。
(3)講演1
テーマ:観光危機管理における官・民の役割
講演:株式会社 JTB 総合研究所 上席研究理事
観光危機管理研究室長 髙松 正人 氏
<内容>
災害大国である日本における観光リスクの中で危機管理の対象となる各々に災害発生時の安全確保やリスクの除去、危機に関する事前情報を提供する必要があり、災害時に日本へ滞在している外国人観光客へ向けても多言語対応の導入など、通訳対応がいつでも実施出来る整備体制を整えておく必要があるなど、現在の日本における危機管理の現状と対応施策についてお話いたしました。
(4)講演2
テーマ :日本政府観光局(JNTO)における災害時の情報発信体制について
講演:独立行政法人 日本政府観光局( JNTO )理事長代理
亀山 秀一 氏
<内容>
2018年度の訪日外国人旅行者数は3,119万人となり、過去最高の訪日者数となったが、その中でも地震や台風、水害などで訪日旅行者数が減少した年もあるため、JNTOでは訪日客向けの災害情報発信サイトの作成やスマートフォンアプリを活用した情報発信を行い、訪日客の不安軽減と正確かつ迅速な情報発信を行うことで信頼を高め、安心・安全な日本滞在を提供していきたいとお話いたしました。
(5)講演3
テーマ :非常時の外国人旅行者の安全・安心の確保に向けた取組
講演:国土交通省観光庁 参事官 片山 敏宏 氏
<内容>
急速な成長を遂げるアジアをはじめ、世界の国際観光需要を取り入れ日本の経済を発展させていくためには、国内外での交流人口の拡大や旅行消費を増大させ地域の活力を維持し、社会を発展させ、災害時などの非常時においても外国人旅行者が安心して日本を旅行できるように、JNTOと連携、365日24時間対応のコールセンターで多言語対応体制を確立するなどの取り組みや施策をお話いたしました。
(6)休憩
今回協賛企業である株式会社ブリックスより企業プレゼンを行っていただきました。
(7)パネルディスカッション
テーマ:持続可能な観光先進国に向けて~防災環境整備の課題とは~
ファシリテーター:株式会社ブリックス AIソリューション部 部長 冨吉 光則 氏
パネリスト:
株式会社 JTB 総合研究所 上席研究理事 観光危機管理研究室長 髙松 正人 氏
独立行政法人 日本政府観光局( JNTO )理事長代理 亀山 秀一 氏
国土交通省観光庁 参事官 片山 敏宏 氏
<内容>
近年、世界中で自然災害が頻発している中でも、日本では数多くの自然災害被害があり、アジアでは、暴風雨や洪水といった風水害による死者数の割合が他の地域に比べ高くなっており、中南米では、地震・津波による死者数が最も高い割合を締め、次に暴風雨・洪水などの風水害の割合が高くなっています。そこで今月10月に台風による多大な被害を受けた日本の現状に対する評価や課題、その課題にどう対応していくべきなのか、そして日本が世界で誇れる災害対応国になるためにはどうするべきかなどをスペシャリストである3名の講師の方々と議論いたしました。
(8)閉会のご挨拶
一般社団法人通訳品質評議会 理事 藤井ゆき子
次回セミナー&懇親会は2020年2月頃を予定しております。